【MommyKayo’s Note】子どもの「関心」は買っても、「歓心」は買わない。― おうち英語で親が手放してはいけないもの
子どもの興味を
生かすことと、
子どもに迎合することは違う。
子どもの「関心」は買っても、
「歓心」を買ってはいけない。
おうち英語では、子どもの興味を大切にしましょう。
これは、私自身もずっと大切にしてきた考え方です。
ただ、最近少し気になっていることがあります。
それは、「子どもの興味を生かす」が、いつの間にか「子どもの好きなようにさせる」にすり替わってしまうこと。
この二つは似ているようで、実はまったく違います。
今日は、おうち英語における親の役割について、少し掘り下げて書いてみたいと思います。
01 / THE FOUNDATIONおうち英語は、そもそも「勉強」ではない
まず、私のおうち英語に対する基本的な考え方から。
私は、特に幼児期のおうち英語に「勉強」を持ち込む必要はないと思っています。
人間には、生まれながらに言語を習得する能力が備わっています。
赤ちゃんは、文法を教わってから日本語を話し始めるわけではありません。
周囲の人が話す言葉を聞き、やり取りを重ね、生活の中で少しずつ言葉を身につけていきます。
おうち英語も、この人間が本来持っている言語習得能力を最大限に生かすものだと私は考えています。
そして、子どもの仕事は遊ぶこと。
だからこそ、英語を習得するために遊びを取り上げるのではなく、むしろ遊びを最大限に活用する。
好きなアニメを見る。好きなキャラクターの絵本を楽しむ。ゲームで遊ぶ。歌を歌う。興味のあることを英語で知る。
子どもが夢中になっている時間は、英語に自然に触れる絶好の機会になります。
ここに、おうち英語の大きな魅力があると思っています。
親が何も考えずに遊ばせておけばいいことは、
まったく違う。
02 / A COMMON MISUNDERSTANDING「子どもに合わせる」を都合よく解釈していませんか?
「子どもの興味に合わせる」「無理強いしない」「楽しく取り組む」。
おうち英語では、こうした言葉がよく使われます。どれも間違っていません。
でも、この言葉を都合よく解釈してしまうと、おうち英語の方向性が大きく変わってしまうことがあります。
最初は親が子どもの興味を考えながら作品を選び、英語の動画を楽しむ環境を作っていたはずです。
ところが、いつの間にかチャンネル権を子どもに渡してしまう。
何を見るかも、どれだけ見るかも、何回見るかも、見る順番も、すべて子ども任せ。
子どもが別のものを見たがれば、すぐに変更する。
英語のアニメを嫌がれば、無理に見せるのもよくないからと、英語の時間そのものをなくしてしまう。
それでも「子どもの興味に合わせています」と言えてしまう。
でも、それは本当に子どもの興味を生かしているのでしょうか。
単に、子どもの希望に親が従っているだけになっていないでしょうか。
もちろん、子どもに選択肢を与えることが悪いわけではありません。
年齢に応じて自分で選ぶ経験も大切ですし、子どもの好みを無視して親の決めたものだけを押しつける必要もありません。
ただ、選択肢を与えることと、環境づくりの主導権まで手放すことは別の話。
何を選ばせるのか。どこまで任せるのか。譲らない部分はどこなのか。
そこは、親が考えておく必要があると思います。
03 / WHO STARTED IT?おうち英語は、子どもの意思で始めたものではない
ここは、とても大切なところです。
おうち英語は、基本的に親が始めるものです。
まだ幼い子どもが、将来のことを考えて「英語を身につけたいから、今日から英語環境を作ってください」とお願いするわけではありません。
親が、英語という言葉を子どもの世界に加えたいと思った。
英語を通じて、将来の選択肢や世界を広げてあげたいと思った。
だから、おうち英語を始めた。
つまり、最初に意思を持って始めたのは親なのです。
それなのに、始めてしばらくすると、続けるかどうかの判断まで子どもに委ねてしまうことがあります。
「本人がやりたがらないから」
「本人が楽しそうじゃないから」
もちろん、子どもの様子を見て、方法を変えたり、一時的に負担を減らしたりすることは必要です。
でも、子どもがそのとき乗り気でないからといって、英語環境そのものを簡単に手放してしまってよいのでしょうか。
親が裏で糸を引くもの。
少し誤解を招きそうな表現かもしれませんが、これは子どもを思いどおりに操るという意味ではありません。
子ども自身は、好きなことをして、自由に遊び、夢中になっていればいい。
でも、その背景では、親が英語に触れる機会を考え、環境を整え、必要に応じて工夫を重ねている。
子どもにとっては自然な遊びでも、親にはちゃんと意図がある。
これがおうち英語の基本だと思っています。
04 / INTEREST VS APPROVAL子どもの関心は買っても、歓心を買ってはいけない
今回、私が一番お伝えしたいのは、実はこのことかもしれません。
子どもの「歓心」を買うことは違う。
同じ「かんしん」でも、意味はまったく異なります。
子どもの関心を引くために、好きなキャラクターを使う。
興味のあるテーマを選ぶ。夢中になれる遊びを取り入れる。
これは、言語習得のための環境づくりとして、とてもよい工夫です。
一方で、子どもの歓心を買おうとすると、話が変わってきます。
子どもが嫌がらないことを最優先にする。
機嫌よく過ごしてもらうために、次々と希望をかなえる。
少しでも不満そうなら、別のものを用意する。
いつの間にか、子どもが喜んでくれること自体が目的になってしまう。
これでは、親が環境を整えているつもりでも、実際には子どもの反応に振り回されるようになります。
英語に限らず、世の中には「これだけやれば大丈夫」「楽しく遊ぶだけで身につく」といった魅力的な言葉があふれています。
ダイエットでも「これだけ食べれば痩せる」「これだけすれば大丈夫」といった言葉が人気ですよね。
人間は誰だって、できることなら楽をしたいものです。
でも、おうち英語における「遊びながら習得する」という考え方は、「親が楽をしても大丈夫」という意味ではありません。
むしろ、子どもが自然に英語を習得できる環境を維持するためには、親の側に工夫や継続する姿勢が求められます。
子どもには遊んでいてほしい。でも、親まで成り行き任せになってはいけない。
私はそう思っています。
05 / THE EARLY YEARS幼児期にはうまくいっているように見えても……
子どもの希望を優先し続けるおうち英語でも、幼児期にはそれなりに成果が出ることがあります。
特に、英語を聞いて理解する力については、日常的に英語に触れている中で育っていく部分があります。
英語のアニメを楽しみ、英語の歌を口ずさみ、英語の絵本の内容を理解する。
英語で話しかけられれば意味がわかる。
いわゆる受容バイリンガル、つまり英語を理解できても、自分から英語を話すことは少ないという状態であれば、幼児期にはそれでも一定のところまで進めるかもしれません。
もちろん、英語を理解できること自体は大切な力です。
ただ、親が目指しているのが、理解するだけではなく、自分の言葉として英語を使い、成長とともにその世界を広げていくことなのであれば、話は少し違ってきます。
幼児期に英語のアニメを楽しめていたからといって、そのまま何年も同じ環境で十分だとは限りません。
子どもは成長します。
興味も変われば、生活も変わります。
それに合わせて、英語環境も育てていかなければならないのです。
06 / THE TURNING POINT小学生になると、おうち英語は大きな転換期を迎える
私は、おうち英語が難しくなる時期の一つが、小学生以降だと感じています。
幼児期は、親が用意した環境に子どもが比較的自然に入ってくれます。
ところが、小学生になると、子どもの世界は一気に広がります。
学校の友達と遊ぶようになり、日本語のゲームや動画、漫画など、魅力的なものがどんどん増えていきます。
自分の好みもはっきりしてきます。
そして、それまで何となく続いていた英語の時間に対しても、自分の意思を示すようになります。
「今日は英語じゃなくて日本語の動画がいい」
「こっちのゲームがしたい」
「英語の本はもういい」
そんなことも出てくるでしょう。
ここで、子どもの希望を常に最優先にしてきた家庭は、英語環境を維持することが難しくなりがちです。
なぜなら、そもそもおうち英語は、子ども自身が強い目的意識を持って始めたものではないからです。
幼児期に楽しんでいたからといって、その楽しさだけで小学生以降も自発的に英語を選び続けるとは限りません。
だからこそ、親が主導権を持ち、成長に合わせて環境を整え続けることが大切なのです。
もちろん、小学生になれば、いつまでも幼児期と同じ方法が通用するわけではありません。
親の関わり方も変わっていく必要があります。
子ども自身が英語を使う意味を感じたり、自分の世界を英語で広げたりできるように、少しずつ自立につなげていくことも大切でしょう。
最初からすべてを子どもに任せることは違う。
親が舵取りを放棄してしまえば、英語環境は簡単に失われてしまうこともあるのです。
07 / PARENTAL GUIDANCE譲れないところは、親が譲らない
では、親が主導権を持つとは、どういうことでしょうか。
私は、すべてを親が決めることだとは思っていません。
むしろ、子どもの興味や反応をよく観察し、柔軟に工夫することが大切だと思っています。
動物が好きなら、動物の英語コンテンツを取り入れる。
ゲームが好きなら、ゲームを通して英語でやり取りする機会を作る。
お気に入りのアニメがあるなら、その世界をたっぷり楽しませてあげる。
その一方で、英語に触れる機会そのものは親が意識して確保する。
子どもの好みが変わっても、英語環境がなくならないようにする。
成長に合わせて、触れる英語の内容や種類を広げていく。
そんな工夫を続けていくことです。
今日は何を見るかを選ばせることと、毎日英語に触れるかどうかまで子どもに決めさせることは違います。
好きなアニメを選ばせることと、親が用意した英語コンテンツをすべて拒否できるようにすることも違います。
子どもの意思を尊重しながらも、親が譲らない部分は持っておく。
その線引きは、家庭によって違っていてよいと思います。
ただ、何もかも子ども任せにしてしまえば、もはや親が意図して作る英語環境ではなくなってしまいます。
親には、環境を整える責任を。
この役割分担を忘れないでいたいものです。
08 / THE MESSAGE興味はエンジン。でも、ハンドルまで渡さない。
今回のInstagram投稿では、最後にこんなメッセージを載せました。
学びを動かすエンジン。
でも、進む方向を決める
ハンドルまで渡さない。
これは、私のおうち英語に対する考え方をよく表していると思っています。
子どもが何かに夢中になる力は、本当に素晴らしいものです。
好きなことなら、驚くほど集中する。
知りたいことなら、どんどん吸収する。
使いたい言葉なら、自然と覚えていく。
だから、その力を最大限に生かしたい。
でも、そのためには、親が進む方向を見失ってはいけません。
子どもの興味を尊重することは、子どもの要求を何でも受け入れることではない。
子どもを楽しませることは、子どもの機嫌を取り続けることではない。
そして、子どもが自然に英語を習得することは、親が何もしなくてよいということではありません。
子どもの関心は買っても、
歓心を買おうとしない。
子どもは、思いきり遊べばいい。
好きなことに夢中になって、自分の世界をどんどん広げていけばいい。
その世界に英語が自然に存在するように、裏側で環境を整えるのが親の役割です。
そして、子どもが成長していくのに合わせて、その環境も少しずつ育てていく。
目先の楽しさだけでなく、数年先の子どもの姿も見据えながら。
それが、本当の意味での
「おうち英語の伴走」だと思っています。
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