かこさとし先生を悼む


 

 かこさとし先生を悼む

Englishbuds 管理人 Mommy Kayo です。

 

先日、絵本作家のかこさとし先生が逝去されました。

 

我が家は無類のかこ先生ファンで

かなりたくさんの先生のシリーズを揃えて

子どもたちが小さい頃から愛読してきました。

 

かこ先生の世界観、本当に好きだったな・・・。

 

かこ先生の作品には定番のちょっとおかしなお話から

 

 

私たちのからだ、食べ物など身の回りの大切なものを教えてくれるシリーズ

 

 

 

 

 

学術的な知識が詰まったシリーズ、

 

 

 

子どもたちが学んでいく必要がある知識を学ぶ機会を

色々な形で提供してくださっていました。

 

我が家の本棚はかこさとし先生の作品で溢れています。

かこさとし先生の訃報に接し、

改めてその本棚に目をやると、

子どもたちが小さかった頃の思い出も湧きあがってきて

様々な感情が入り混じります。




かこさとし先生は我が家の子どもたちに色々な知識を授けるだけでなく、

私にも言語に関して考える機会も提供してくださった気がしています。

かこさとし先生の作品が本当に大好きで

たくさーーーーーんの本を買い集めましたが、

かこ先生の作品のいくつかが英訳されていることを知り、

その作品ももちろん買いました。

Mr.Crow’s Bakery―からすのパンやさん(英語版) (R.I.C.Story Chest)

Tadpole 101―おたまじゃくしの101ちゃん(英語版) (R.I.C.Story Chest)

その当時から英語育児をしていたので

子どもと何度かこの英訳シリーズも読みましたが・・・

 

ちっとも面白くないのです・・・。

 

「へー、この表現はこういう英語になるんだ」ぐらいの気付きはありましたが、

それ以上のものはなく・・・。

 

かこ先生の作品の素晴らしさが出ていないのですよね。

 

英語という言語で

かこ先生独特の柔らかく読みやすく、しかしそれでいながら含蓄のある文体

を完全に再現することはほぼほぼ無理なのです。

 

洋画を鑑賞している時、字幕の日本語に

「???!!!」

と思うこともしばしばあり、

やはり完全に言語を翻訳することは無理なのかなぁ・・・と。

 

 

その作品のオリジナル言語をある程度マスターしなければ

その【作品】の本質は実は理解できないんじゃないか・・・と思います。

 

英語もまだまだでこの先もどれほど高められるか不安で、

もうそれ以外の言語なんて学ぼうとも思わないくらいの私は

ヘルマンヘッセとかドルトエフスキーを生で味わうことなんて

一生できないんだよなぁ・・・と思ってしまいます。

 

訳を通して「たぶんこんな感じ?」ぐらいの鑑賞しかできないのではないかと。

 

言語をマスターしていくということは

【世界が広がること】と思わざるを得ません。

 

この世界とは、物理的に世界を自由に往来できるという意味のみならず、

創造された世界をも自由に楽しめるという意味も含むと思います。

 

ドイツ語、ロシア語はさすがに諦めるとして

英語はなんとか原書を読んでその世界観に近づけるように

私も子どももなっていきたいなぁと

かこさとし先生の訃報に接して強く思いました。

 

晩年のかこ先生は

戦争をテーマにした作品の執筆に取り組んでおられたそうですが

ご自身が納得できる作品がどうしてもできず、未完となっていると

先日の朝日新聞天声人語で読みました。

 

この世の中から争いを無くすこと。

 

永遠のテーマですが、

互いに誤解があれば時間を掛けて解き、理解し合い、尊重し合う

しかないのかな思います。

 

その活動に必要なのは、

相手を深く知ること、言語によるところが大きいのかなと。

 

かこ先生の遺志に思いを馳せ、

小さなことでも自分にできることにこれからも精一杯取り組んでいきたいと思います。

 

かこ先生、どうぞ安らかに。

本当にありがとうございました。

 

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