英検1級一次突破で見えてきた、親の手を離れたあとの「おうち英語」

MOMMYKAYO’S NOTE

英検1級一次試験と、
その後のおうち英語の話。

親の手を離れて数年。
娘の英語はどうなっていたのか。

大学5年生の娘が、この秋、英検1級の一次試験に合格しました。

Englishbudsでは、早い子だと中学生、高校生で英検1級に合格する子も珍しくなくなってきました。

そんな中、大学5年生になってようやく一次試験を突破した娘。

スピードという点では、何も特筆することはありません(笑)。しかも、まだ一次試験。二次試験はこれからです。

ただ、今回の合格には、英検1級に合格したという事実そのものよりも、私にとってずっと興味深いことがありました。

娘自身も同じように感じていたようで、今回、本人の了承を得てブログに書いてみることにしました。

おうち英語で育った子の英語は、
使わなくなったらどうなるのか?

今回は、そんなお話です。

大学生になってからの英語との距離

娘は大学進学を機に実家を離れ、現在は一人暮らしをしています。

進学先は英語とは直接関係のない理系の学部。

大学で英語を勉強する機会はほとんどありませんし、プライベートで英語を勉強しようという気持ちも、見事なまでにありません。

英語が嫌いというわけではないんです。

むしろ、英語がわかることも、英語で話せることも、本人にとってはあまりに普通のことになってしまっている。

だから、わざわざ英語力を伸ばそうとか、もっと上達しようとか、そういう発想がないんですね。

英語は特別なものではなく、ただ自分の中にあるもの。

そんな感じです。

もちろん、英検の勉強なんてするはずもありません(笑)。

私もオンラインレッスンを受けられるようにポイントだけは用意していましたが、もう親が予約を入れる年齢でもありません。

本人が「ちょっと英語で話そうかな」と思ったときに、自分で予約する。それくらいの距離感でした。

おうち英語を頑張ってきた子が親元を離れたあと、どうやって英語力を維持するのか。

これは、おうち英語に取り組む保護者の皆さんにとっても、気になるところではないでしょうか。

我が家の場合は、維持するために何かを頑張る、ということすらしていなかったのです。

英検を受けてもらうまでが一苦労

英検1級は、S-CBTで受験できないため、受験機会が年3回に限られます。

ところが娘は、大学の勉強や実習などで忙しく、なかなか受験してくれません。

特に6月や2月は大学の試験とも重なりやすく、

「そんな余裕ない!」

「大学の試験のほうが大事だから無理!」

と、受験そのものを断られてしまいます。

娘にとって、英検1級はどうしても取得したい資格ではないんです。

自分の進む専門分野では、英検1級が就職活動で大きな武器になるわけでもない。

TOEICなら以前から900点台半ばを取っているので、英語の資格が必要なら、そちらを受ければいいと思っているようです。

つまり、英検1級に対する執着がまったくない。

私が「受けてみたら?」と言っても、本人が「無理」と言えば、それでおしまい。

親のコントロールなんて、もうとっくに効きません(笑)。

ただ、娘も大学5年生。

大学生活は残り2年ほどで、これからは国家試験の準備も本格化していきます。

今後ますます忙しくなることを考えると、受験するなら今のうちではないか。

そう思い、今回の10月の試験は、あまりプレッシャーにならない程度に、でもちょっぴり圧をかけながら(笑)、なんとか受験してもらいました。

正直、英語力は落ちていると思っていました

娘は大学入学後にも英検1級を受けたことがあります。

そのときは、あと少しのところで一次試験に届きませんでした。

私は、英語力という意味では、大学受験を経験した頃が一つのピークだったのではないかと思っていました。

そこから大学生活が始まり、英語を勉強することもなくなり、使う機会も減っていく。

当然、英語力は少しずつ落ちていくものだろうと。

大学入学直後に受からなかったのなら、今となってはもっと難しいかもしれない。

正直、そんなふうに考えていました。

実際、娘自身も最近は大学で読む英語の論文をChatGPTに訳してもらうことがあるようで、

「英語の論文を自分でじっくり読むのも面倒くさくなってきた」

なんて言う始末(笑)。

英語の長文を読む機会も、難しい英語の話を聞く機会も、以前よりずっと少なくなっていたはずです。

今回も、もちろん英検対策はゼロ。

本人いわく、試験中には、

「こんな長い英語の文章を読むの、久しぶりだなあ」

「こういう小難しい英語の話を聞くのも久しぶり!」

なんて思っていたそうです。

ライティングも、特別な準備は何もしていません。

それなのに、ふたを開けてみれば、一次試験合格。

しかも、今回は各技能のスコアも比較的バランスよく取れていました。

もちろん、英検には問題との相性もあります。今回たまたま得意な内容が多かったということもあるでしょう。

それにしても、親子でびっくりしました。

娘が感じた「英語の回路」

今回、いちばん興味深かったのは、合格したあとに娘が話していたことです。

本人も、何も準備せずにここまで英語力が維持できていたことに驚いていました。

そして、こんなことを言いました。

なんか、もう英語の回路みたいなものが
頭の中にあるんだと思う。

娘もそれをうまく説明できるわけではありません。

私自身、その感覚を同じように持っているわけではないので、完全に理解できるわけでもありません。

ただ、娘の話を聞いていると、なんとなく言いたいことは伝わってきました。

英語を使っていなければ、もちろん新しい表現を覚えたり、語彙がどんどん増えたりすることはない。

だから、劇的に英語力が伸びることはないかもしれない。

でも、一度自分の中にしっかりできあがった英語の回路は、そう簡単にはなくならない。

だから、劇的に落ちることもないような気がする。

そんな感覚なのだそうです。

これが本当にどういう仕組みなのか、私にも正確なことはわかりません。

ただ、長年のおうち英語で積み重ねてきたものが、本人が意識して英語に取り組まなくなったあとも、ちゃんと残っていた。

今回の英検1級一次試験の合格は、そのことを感じさせてくれる出来事でした。

「英語を頑張ったことはない」という言葉

もう一つ、印象に残った娘の言葉があります。

私、人生で英語を頑張ったことって
ないんだよね。

これを聞いて、なんとも不思議な気持ちになりました。

もちろん、親としては長年いろいろやってきましたよ(笑)。

小さい頃から英語のある環境を用意して、英語に触れる機会を積み重ねてきたわけですから。

でも、娘本人にしてみれば、英語は頑張って身につけたものではない。

遊んだり、読んだり、見たり、話したり。

そういう日常の中に、ずっと英語があっただけなんですね。

英検に合格するために英語をやってきたわけでもなければ、何かの資格を取るために頑張ってきたわけでもない。

そして今は、もう英語を頑張ろうとすら思っていない(笑)。

それでも、英語が自分の中に残っている。

これは、長年おうち英語を見てきた私にとって、なかなか興味深いことでした。

これからの二次試験について

さて、英検1級は一次試験に合格しても、まだ二次試験が残っています。

ここからは面接です。

英検1級の面接となると、社会問題などについて2分間のスピーチをし、その後の質問にも答えなくてはいけません。

私だったら、これがもう恐ろしくて仕方ありません(笑)。

そもそも試験官の英語をちゃんと聞き取れるのか。

難しいトピックについて2分間も話せるのか。

面接のトピックを見ただけで、「こんなことを英語で話すための語彙、持ってない!」と思ってしまいます。

ところが、これまでEnglishbudsで英検1級に挑戦してきた子たちを見ていると、一次試験を突破した子は二次試験も比較的スムーズに合格していくことが多いんです。

もちろん、全員が一度で合格するわけではありません。

でも、面接に対する心理的なハードルが、私たち大人とはずいぶん違うように感じます。

「難しいトピックだけど、準備すればなんとか話せるかな」

そんな感覚なんですよね。

娘も今回、トピックの難しさには少し不安を感じているようです。

でも、「英語を話すことそのものが怖い」という様子ではありません。

この違いは、本当にうらやましいなと思います。

もちろん、二次試験はこれからなので、どうなるかはわかりません。

ひとまず、できる準備をして臨んでほしいと思っています。

親の手を離れたあとに残るもの

今回の娘の英検1級一次試験合格は、資格取得という意味では、我が家にとってそれほど大きな目標達成というわけではありませんでした。

娘自身、英検1級に対してそこまでの思い入れがありませんし、私も今さら資格一つで何かが大きく変わるとは思っていません。

でも、別の意味で、とても面白い出来事でした。

おうち英語に取り組んでいると、どうしても「今、どれくらいできるか」が気になります。

何歳で英検何級に合格したとか、どれくらい難しい本が読めるようになったとか。

もちろん、そうした成長も嬉しいものです。

でも、子どもはいつか親の手を離れます。

英語の時間を親が作ってあげることも、レッスンを予約してあげることも、いずれなくなります。

そして、英語以外のことに夢中になる時期も来るでしょう。

そのとき、英語はどうなるのか。

私は今回、娘の姿を見て、親が何もしなくなっても、その子の中に残り続ける英語を育てること。

これも、おうち英語の大切な目標の一つなのではないかと改めて感じました。

今回、感じたこと。

もちろん、今回の娘の経験だけで、誰でも同じように英語力を維持できるとは言えません。

どれくらいの英語が身についていたのか、どんな環境で育ったのかによっても違うでしょう。

ただ、一つの長期的な観察例として、面白い結果だったと思っています。

「英語を頑張らなくなったあとにも、残っているものがあった」

今回、私がいちばん興味を持ったのは、そんなところでした。

13年間Englishbudsを運営し、おうち英語のその先をずっと考えてきた私には、英検1級の一次試験合格そのものより、こちらのほうがずっと興味深い発見でした。

ということで、今回はちょっとした我が家の近況と、おうち英語のその後についてシェアしてみました。

さて、あとは二次試験。

本人は相変わらずのマイペースですが、ここまで来たら、もうひと頑張りしてもらいましょうか(笑)。

MOMMYKAYO’S NOTE · ENGLISHBUDS

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